敬語の3本柱とは?正しい使い方と間違いやすいポイントを解説!
こんにちは、Alicefactoryの上田です。
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日本語の「敬語」は、美しい言葉遣いの象徴であり、人間関係を円滑にする大切なツールです。
しかし、その正しい使い方には悩む人も多いのではないでしょうか。
この記事では、「敬語の3本柱」と呼ばれる尊敬語、謙譲語、丁寧語の基本を解説するとともに、間違いやすいポイントや注意点についても触れていきます。
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敬語の3本柱とは
1) 尊敬語(そんけいご)
尊敬語とは、相手や第三者の動作、所有物に対して使うことで、その人への直接的な敬意を表す言葉です。
動作の主体が相手の場合に使います。
例文
- 「先生がいらっしゃいます。」(「来る」の尊敬語)
- 「社長がお話しになります。」(「話す」の尊敬語)
2) 謙譲語(けんじょうご)
謙譲語は、自分や自分側の行動を低めることで、相手を立てる表現です。自分が行動の主体となる場合に使います。
例文
- 「私が資料をお持ちします。」(「持つ」の謙譲語)
- 「本日はお忙しい中お時間を頂戴しました。」(「もらう」の謙譲語)
3) 丁寧語(ていねいご)
丁寧語は、相手に対して敬意を表すために改まった言葉や物事を美化した表現です。「です」「ます」「ございます」などが代表的です。
例文
- 「こちらの商品はとても人気でございます。」
- 「お手数をおかけして申し訳ありません。」
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間違いの多い敬語の使い方
1) 二重敬語
二重敬語とは、同じ動作に対して複数の敬語表現を重ねて使うことで、過剰な敬語になってしまうケースです。
例文
×「社長がお帰りになられます。」
→「お帰りになります」と「られる」を重ねると二重敬語になります。
○「社長がお帰りになります。」
×「お客様がおっしゃられる。」
→「おっしゃる」と「られる」を重ねると二重敬語になります。
○「お客様がおっしゃる。」
×「ございますでしょうか」「承らせていただきます。」
→「ございます(丁寧語)」と「でしょうか(丁寧語)」、「承らせて(丁寧語)」と「いただきます(丁寧語)」を重ねると二重敬語になります。
○「ございますか」「でしょうか」/「承ります」
ポイント
「お~になる」か「~れる/られる」のどちらか一方を使うようにしましょう。
2) 「お~する」と「お~になる」の混同
尊敬語「お~になる」と謙譲語「お~する」の混同は、敬語の使い分けを誤る原因になります。
例文
× 「先生にお手紙をお送りになる。」(謙譲語と混同)
○ 「先生が手紙をお送りになる。」(尊敬語)
×「お電話してください。」
○「お電話をしてください」
×「お待ちしてください。」
○「お待ちください。」
ポイント
- 尊敬語は相手の行動を高める表現(例:「お送りになる」)。
- 謙譲語は自分の行動をへりくだる表現(例:「お送りする」)。
3) 使えない動詞に無理やり尊敬語をつける
一部の動詞には尊敬語の形が存在しない場合があります。その場合、無理に「お~になる」や「~される」をつけるのは間違いです。
例文
× 「社長がお勉強される。」
○ 「社長が勉強なさる。」
ポイント
- 尊敬語の特別な形がある動詞(例:「する」→「なさる」)を確認しましょう。
4) 尊敬語を自分に使う
尊敬語は相手や第三者を立てるための表現であり、自分や自分の仲間には使いません。
例文
× 「私がお伺いになります。」(自分に尊敬語は不適切)
○ 「私が伺います。」(謙譲語を使用)
5) つられ敬語
つられ敬語とは、相手の使った言葉や言葉遣いに影響されて、無意識に本来不適切な敬語表現を使ってしまうことを指します。
特に、相手が誤った敬語や過剰な敬語を使った場合に、それに「つられて」同じような間違いをしてしまうことが多いです。
例文
「○○さんはいらっしゃいますか」
×「はい、いらっしゃいます。」
○「はい、おります。」
ポイント
- 「させていただく」は、相手の許可が不要な場合や、自分の意思で取る行動には使いません。また、謙譲語なので相手の行動には使いません。
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気をつけたい言葉使い
日常やビジネスシーンで気をつけたい言葉遣いをいくつか挙げます。
これらを意識することで、より丁寧で信頼感のあるコミュニケーションが可能になります。
1) あいまい表現、否定語・非難語は控える
あいまい表現
あいまいな表現は結論を伝えたり、約束をする場面では要注意です。
×「一応」「とりあえず」「おそらく」「近日中」
否定語・非難語
否定語・非難語はビジネスの会話では使いません。
×否定語:「できません」「知りません」「わかりません」
×非難語:「ですから」「言ったはずですが」「何度も言うようですが」
2) 文末まで言い切る
「が、も、で、」など文の途中で終わらせず、最後まで言いましょう。
×「〜ですが」「〜ですけど」「〜なので」
○「いかがでしょうか」と最後まで言う
○「〜です」「〜ます」「〜ございます」とできるだけ短い分にして話す
3) 専門用語・書き言葉はわかりやすく言う
専門用語
専門用語を使う場合は、お客様の反応を見ながら言い方を変えてみる。
- 「登録番号」→「ナンバープレートの番号」
- 「ピリオンシート」→「リアシート」
- 「洗浄力」→「綺麗になる度合い」など
書き言葉
書き言葉はわかりやすい言葉に置き換える。
- 「右折」→「右に曲がる」
- 「帰社」→「会社に戻る」など
4) ら抜き、サ入れ、れ足す
ら抜き言葉
必要な「ら」が抜けています。
×「食べれた」→○「食べられた」
×「開けれる」→○「開けられる」
さ入れ言葉
不要な「さ」が入っています。
×「間違わさせる」→○「間違わせる」
×「手伝わさせる」→○「手伝わせる」
れ足す言葉
不要な「れ」が入っています。
×「読めれる」→○「読める」
×「話せれる」→○「話せる」
5) クセ語、ファミコン言葉
クセ語
口癖になっている言葉は使わない。
×「あのー」「そのー」「えーっと」「つまり」
ファミ(レス)コン(ビニ)言葉
ファミレスやコンビニの店員が使う言葉は使わないようにしましょう。
×「〜の方(ほう)」→○「〜は」
×「よろしかったでしょうか」→○「よろしいでしょうか」
×「〜になります」→○「〜でございます」「〜です」
×「〜とか」→○「〜など」
×「私的には」→○「私としましては」
まとめ
敬語の3本柱、尊敬語・謙譲語・丁寧語は、日本語を美しく使う上で欠かせない要素です。ただし、誤った使い方や過剰な敬語はかえってマイナスの印象を与えることも。今回ご紹介した例を参考に、正しい敬語の使い方を実践してみてください。少しずつでも意識することで、自然と美しい言葉遣いが身についていくはずです!
ぜひ今日から、正しい敬語を意識して使ってみてくださいね!
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